「神さまの愛によって」

A. 勇気と元気とやる気

 「御翼を読むと、勇気と元気とやる気の“三気”が与えられます」と、教会員のHさんが言われます。「罪ばかり指摘されたり、『こうあるべき!』と強調されると、何だか気持ちがシューンとなってしまいます。しかし、順先生のメッセージは、聖書の解説は分かり易く、更に、実例が身近に感じられて、御言葉と実生活に距離感がなく受け止めることができます」。
 人は道徳により善行を達成するのではありません。イエス様の愛により内面から変えられ、善い行いをなすようになります。クリスチャンの存在は、この神さまの愛を感じさせるものでなければならなりません。

B.聖書より

  

(38)だから、兄弟たち、知っていただきたい。この方による罪の赦しが告げ知らされ、また、あなたがたがモーセの律法では義とされえなかったのに、(39)信じる者は皆、この方によって義とされるのです。使徒言行録13章38〜39節
 パウロは、これまでの歴史上の過去の出来事から、人類には救いが必要であり、その救い主イエス様を神さまが送ってくださったことを述べました。
 モーセの律法は、私たちには救い主が必要だと目覚めさせる目的があります。律法に従って生きようとすると重荷となり、人は良くなりませんが、イエス様を受け入れると自由の恵みを得ることができ、イエス様により贖われる神さまの愛に応えようと、人は良い業を行えます。イエス様を信じる人は義とされ、神さまとの関係が正しくされるのです。そして、神さまに受け入れられ、愛されているという実感を人々に与えるのが、教会やクリスチャンの存在です。

C.敵からも慕われた陸軍大将・今村 均

 戦後のアジア諸国には、反日感情ばかりあると思われがちですが、インドネシアは、台湾、マレーシア、ミャンマー、パラオ共和国と共に、飛び抜けて親日国です。それは戦時中、インドネシアを統治していた陸軍大将・今村 均の緩和政策のお陰です。
 真珠湾攻撃後、日本軍は、膨大な石油資源が眠る蘭印(オランダ領東インド、今のインドネシア)を確保するため、オランダ軍を攻略する必要がありました。それを成し遂げたのが今村 均でした。インドネシア人は、350年にわたるオランダの侵略を受け、奴隷のような苦しい生活を送り、彼らには「俺たち有色人種は決して白人には適わない」という諦めきったムードがありました。ところが、同じ黄色人種である日本軍が、白人たちを撃退する姿を目の当たりにした彼らは、狂喜乱舞して日本軍を応援しました。 
 蘭印をオランダから解放した今村 均司令官は、それまで禁止されていたインドネシア語を復活させ、インドネシア人に自由を与えます。また、オランダ軍に投獄されていた独立運動の指導者スカルノ(後のインドネシア初代大統領)を釈放し、オランダ軍に破壊されていた石油製油施設を復旧させました。石油販売価格をオランダ時代の半額にし、それにより彼らの生活は向上します。更に今村は、捕虜となった英国・オランダ軍将兵を大切に扱い、家族と自由に公園を歩かせ、軍人としての誇りも保たせました。
 今村 均とキリスト教との出会いは、6歳という幼い日でした。親しい老婦人に連れられて甲府教会の日曜学校に通い始め、生涯にわたりイエス様を主、人生の師として信仰生活を送るようになります。時代的、立場的な制約から、洗礼を受けることはありませんでしたが、陸軍大将という、組織の最高幹部に昇り詰めても決して威張らず、毎朝、誰よりも早く起床し、正座して心を整えて聖書を読み、自分のことよりも部下や関係者のため、敵のためにさえ祈り続ける生活を送りました。また、人生の歩みそのものが、「受けるより与えるほうが幸いである」、「敵を愛せよ」と教えられたイエス様に忠実に従った生涯だったのです。

D.結び

 道徳は、外から人を変えようとしますが、神さまの愛は人を内面から変えます。神さまに受け入れられ、愛されているという実感を人々に与える教会を築いて行きましょう。
御翼3月号その4より


  
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